『女子の古本屋』(岡崎武志著)を読んで

今回のブログ記事は、以前取り上げた岡崎武志氏の書籍をまた、ご紹介です。

男性のイメージがある古本屋さんですが、女性でも頑張っている人がいるとのことで、2006年に筑摩書房のPR雑誌「ちくま」で連載を始めたものが集まって、2008年に書籍化された本です。私は、最近買ったので、書籍化されたものが文庫化されたものを買いました。


文庫化されるにあたって、「それからの『女子の古本屋』」を増補、追加取材したので、その後の店の様子ががわかります。店を出したことのある人ならわかると思いますが、店を出すのは、簡単ですが、続けるのは大変難しいのです。それですが、ここで取り上げられてお店は、続いているのですよね。


女性の場合、一般に冒険をしないで、商売は手堅くいくと言われます。大きく勝負をかけないから、大儲けすることもないのですが、大型倒産ということもないわけです。細々ながらも、長く続けていくケースが多いように思います。小さく産んで、大きく育てるタイプですね。最初から、設備投資にお金をかけて、というわけではなく、できる範囲ではじめてしまう。そういうタイプが多いように思います。

取材後の話では、お店を移転させたり、店舗を広げたり、古本だけでなく、雑貨も扱うようになったり、店舗とネットだったのを、ネット専業に切り替えたりと、その店、その店で違うようです。


ひとつひとつの店舗のことは、この本を読んでいただくことにして、他の中古販売にも通ずる考えと思ったことを書きます。この本の最後に「女性が古書店主になるには」の章があります。この本の中で、女性ならではのハンデはあると、最初の「はじめに」で述べられています。書籍は、かさばると意外と重たく腕力や筋力で劣る女性には、つらいとか、女性だからということで、甘く見られるということなどです。


「古書店主になるには」の章には、もちろん古物商許可を取ることも書いてあります。「許可証がもらえれば、心構えも違ってくるだろう」と書かれています。どの商売でも、許可が必要なものは、きちんと取ることですね。無許可でやっても、信用がないですし、業界の情報も入ってこないでしょう。

それと、一番大切なこと、として、「『古本屋になる!』最初に決めてしまうことだと思う」とありました。田村治芳さんの言葉にいくら資金があれば古本屋ができるかと質問されたら、そんなことを考えている奴は、古本屋にはなれない、と、書いてありました。これは、どの業界でもよく聞くことですよね。


いくらあればできるのか、そういう質問をする人は、いつまでたっても、独立できないと。自分のできる範囲ではじめてみる。「自分は、この道で生きていくんだ」との気持ちがあれば、なんとかなるものだということです。アルバイトしながらでも、店を続けた人もいたそうです。最初は、板を買ってきて、本棚を自分で作った女性もいます。


それでもやりたい、という強い気持ちが大事なのでしょう。最初から、いくら儲かるのか、食べていけるのだろうか、そういうことを質問する人は、結局、続かなくなるのだと思います。細々ながらもこの道で続けていくという気持ちが大事ということですね。